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壁と迷路

残り少ないオフなのに楽しめないでいる。

まず、ホテル周辺の地図を作るために写真を撮っていたら警備員に注意された。
店名をノートにメモするにも許可を取れと。
オフィス街なので分からなくもないが、妙な厳しさにげんなりする。
今まで何回も撮影してきたが、こんなことは初めてだ。

次に。
オペレーターから着信があり、何だろうと思って問い合わせると、
スケジュールを確認するよう言われた。
気が利く同僚に感謝。
マネージャーがシフトを変更していた。
何の知らせもなく、壁に貼ってある紙を書き換えておしまい。

明日の朝チェックするつもりでいたが、案の定。
先月末もらった承諾は、ひと月もせずに忘れ去られていた。
マネージャーは帰宅した後。
明日はオフで出社しない。
他の時間帯責任者に相談したら、直接携帯を鳴らせと言われる。
 
今回は運良くOKしてもらえた。
だが来月はどうなのだろう。
先回りしても、忘れられては意味がない。

スタッフは恒常的に不足している。
それは部下の言葉や態度を見ずに、采配をふるっているからかもしれない。

フロントに限らず、外国人の私から見ても浮かない顔をして働いている社員がいる。
上司の労いひとつで、もしかしたら少し気持ちが楽になるんじゃないだろうか。

人手が足りないことは皆承知している。
でも妊娠初期の女性に、体調不良をこらえて働けというのは厳しすぎる。
下手したら人命に係わることだ。

上から強い言葉で押し付けて、気持ちよく働けるわけがない。
状況を説明して、協力を仰ぐのが賢明だと思う。

上司には上司の苦労があるに違いないけれど。
そこここにぎすぎすした空気を感じてひりひりしている。

あと残りひと月ちょっと。
疲れたらハウスキーピングにおしゃべりに行こう。
経験豊富な女性たちの言葉は重みがある。


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# by intern51 | 2013-02-17 23:03

the door is open for you

今月の最初の2週はハウスキーピングで働く。
上司にお願いして叶ったことだ。
部屋が売り物なのに、見たことがないのは不便だった。

フロントのスタッフがまた一人欠けていそうだ。
フィリピン人の男性で、マレーシアに来て4年だっただろうか。
ローカルに比べて、賃金が安く勤務時間が長い。
それはつまり、外国人は厳しい労働環境に置かれるということだ。

ハウスキーピングも8-9割外国人で構成されている。
バングラデシュ、ネパール、ミャンマー、フィリピン。
週6日、一日12時間。
ローカルは一日8時間。

車を持たない人が多いのだろう。
片道30分の距離を歩いて来たり、タクシーの料金が高くて困っていたり。

賃金に関する相談をする人を2人見た。
契約期間(おおむね2年)が終わったら延長はしないという声も聞く。
先月末はベルマンが一人、母国に帰っていった。

ハウスキーピングは居心地がいい。
体は疲れるが、精神的には楽だ。
直接文句を言われないし、人間関係もフラットだ。

ゲストがどんなリクエストをするか。
つまりはどんな問題が起こるのか知ることができる。
忘れ物、部屋の不備、アメニティの種類。

部屋の清掃状況を確認するスーパーバイザーは、とにかく目が鋭い。
クッションの向き、椅子の並べ方、ごみ箱の位置。
短い時間で的確に取りこぼしを把握する。

ハウスキーピングにはオープニングから15年も務めているスタッフが3人もいる。
彼女たちが目を配るからこそ、清潔で整った部屋を提供できる。
忙しいクリーンスタッフをまとめ、指導する。
ブリーフィングは肝っ玉母さんとダメな息子たちの家族会議のようだ。


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# by intern51 | 2013-02-05 01:02

room mate

ルームメイトができた。
フィリピンのマニラからやってきた2人。
20歳と25歳。
年上の子は4歳の子供と旦那さんを置いてやってきた。
スカイプでやんちゃそうな男の子が笑っていた。
お風呂あがりなのか髪の毛がびしょびしょで、
お母さんがいなくて寂しいとはまだ思っていない様子だった。

うちのホテルはネット環境が悪い。
一昨日は朝から夕方まで、ケーブルを含め客室からはアクセス不可。
スタッフサイドの回線は4時間ほどで復活したけれど。
ビジネスホテルとしてはおそろしく不便だ。

近辺のカフェでも、今日はあまりつながりません、
なんてことは珍しくないようだ。

私も日本人のお客様をガイドした。
コンシェルジュにブラウザの履歴を消してもらったはいいが、
フリーメールのログイン方法を忘れて困ったとのこと。
折り悪くネットは不通。メールチェックできない。

ビジネスセンターのパソコンでgmailの使い方を説明した。
ヒストリーを消してもアカウントが消えるわけではない。
ごくたまにパソコン教室の講師の気分が味わえる。
年配のビジネスマンにはITに疎い方が時々いらっしゃる。

何の知識がいつ役に立つかわからない。
同僚との雑談がゲストに質問されたときの助けになったりする。
とはいえ、なかなか密な話は難しい。

あと2ヶ月。
少しでも英語力を磨きたい。
毎日雑用に追われて時間がない。

日本人ゲストの登録用紙準備。
訪問歴や喫煙の好み、ネットのパスワードなどを調べるのに長い時で1時間。
システムにalertを作って、カードキーのホルダーに必要事項を書いて、
挨拶状、登録用紙とクリップでとめる。
疲れた時にはつらい作業だ。


毎日1時間はトレイニー仲間とランチを食べる。
最近は恋愛トークが多くて、聞いているのが少し疲れる。
話を聞くのは好きだけれど、まるで私の話は聞いてもらえない。
19歳の女の子に文句は言いたくない。
英語の勉強だと思って懸命に耳を澄ます。

勤務時間外でもゲストに呼ばれる。
喫煙ルームに移動したい。
ホテル外のクリーニングサービスが知りたい。
タクシー料金の支払いに現金が足りない。

ルームメイトの友達が気軽に遊びに来る。
ときには知らない子が床で寝ていた。
(二段ベッドが壊れたそうで)
私が寝ていてもお構いなしでしゃべる。
話しかけられもする。
これはルームメイトも同じ。

おまけに部屋の電話に呼び出しコールがある。
日本人のマリコですが、同室の子はいません。

昼寝もおちおち出来ない。

パソコン貸して。
日本語読めないから英語表示にして。
コーヒーないの?
ワックスないの?

まるで便利屋のように思えるときがある。
出来ないことは断るし、嫌なことは嫌というように努力する。
つもりだけれど。

貸したものを返さないとか、机の上が油でベトベトとか、
バスルームと冷蔵庫が化粧品の粉で白いとか、
落ちているお菓子を拾わない日はない。

とりあえず寝る時間だけは確保して、
健康に過ごしたい。



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# by intern51 | 2013-01-26 10:33

ブルーモスク

フロント業務に戻り、初めてのお休み。
シャーアラムにある、世界4位の規模を誇るモスクを訪ねた。

礼拝の時間ではないからか、ほとんど信者の姿は見えなかった。
愛称の通り、屋根と礼拝堂のステンドグラスのブルーが美しい。
大理石の床は真夏のような太陽に燒かれて、所々ヤケドしそうに熱かった。

驚くことに、ムスリムを除く観光者のうち、約半数が日本人だという。
1時間に満たない見学のあいだに、10人ほどの日本人と会った。

良いガイドにあたり、疑問を抱えたまま帰らずに済んだ。
プトラジャヤにはピンクのモスクがあるというから、そちらも見てみたい。

見学を終え、しばらくして会社支給の携帯を音がなる設定に戻した。
着信があったので折り返すと、マネージャーから矢継ぎ早な質問にあう。

喫煙可能な部屋に移りたいゲストに、うまく部屋をアレンジできなかった件についてだ。

今ホテルはとてもヒマな時期に入っている。
スモーキングルームが2部屋くらい調達できないとは予想しなかった。

コミュニケーション不足が原因で、悪循環が重なる。

初めに喫煙の好みを聞かなかった→私はチェックイン業務を担当したわけではなく、途中から挨拶と簡単な施設の案内だけをした。

あとから喫煙するゲストだと分かる。→マネージャーに報告。確約はできないが、空いていれば変更可能との返事。

ゲストにメモで知らせる→夜遅く来て、朝早く出発する様子だったので、電話で煩わせたくなかった。
確約はできない旨も併せて伝える。

結局、スモーキングルームが先に売れてしまい、変更できなかった。
そんなに数が少ないと把握していなかったのが悪い。
今はちょうど下層の2フロアを閉めて、ゲストの満足度を上げる試みをしているから、余計数が少なかった。
とはいえ、部屋の空き状況は40%。喫煙部屋は約半数あるはずなのだが。

もしももっとスタッフと仲が良ければ、ゲストがロビーに下りて来る時間に、フロントで待つことも出来た。

勤務時間外に私がうろうろすることを好ましく思わない人も多い。
そう思うがゆえ、色々と気を遣ってしまう。

そんな心配などたぶんマネージャーは想像もしないだろう。

あたまから終わりまで、強い調子で責めるような口調だ。
悪いのは私だが、早口に受け応えするのは難しい。

問題が起きたときこそ、冷静に丁寧に対処、なんて願っても無駄だ。
何でもスピーディに片付けるのが彼らのやり方だから。

最初から部屋をブロックしてくれたなら、私も楽に動けたのだけど。
そういう方法を取る人は少ない気がする。

自分の弱点を補うような工夫をしようとしても、横から口出しされて、うまく行かない。

フロントは男社会だと思う。時間帯責任者、経験が長い者、新人。
上の者が目を光らせ、下の者がせっせと従う。

質問は短くしないといけない。説明もコンパクトだ。
失敗すれば笑われる。
信用がないと分かる出来事も多い。

信用があれば、自分がやりやすい方法も使えるだろう。

壁ばかりたくさん見える。
何も知らずにフロントに立つなんて、無謀だ。
誰も教えてはくれない。質問しても、まともに答えてくれる人は稀だ。

教えることがまるでキライなように見える。
せっかち過ぎてついていけない。

英語で、端末の操作と、複雑な料金システム、細かなルールをざっと説明されても追い切れない。

フィリピン人の優しいスタッフが一番良く教えてくれるくらいだ。

日本人で得しているし、日本人だから甘やかされている。

中途半端は嫌だ。
けれど、壁はなかなか高くて厚い。

# by intern51 | 2013-01-07 00:57

掃除してました

セールス課での研修が大晦日で終了した。
日系企業への挨拶は結局、計2日、10社ほどしか同行させてもらえなかった。
一番多く日系企業を担当している営業が、先月半ばから有給消化に入ったようで、
それも関係あるかもしれない。
結婚して、今月で仕事も辞めると聞いている。

ちなみに彼は29歳のマレー人男性。
相手は中国人とインド人のハーフだそうだ。
大学卒業後9社ほど様々なホテルを経験してきたという。

セールス課は月金が出勤日だが、
ウエディング担当は土日に働くことも多い。
代休も有給もしっかり取るのが基本姿勢らしく、
毎日ひとりふたりは休んでいた。

決まった仕事がもらえない分、自分でできることを探した。
前職が事務員だったので、何となく要領は分かる。
とにかく整理整頓や掃除に関心が薄い人ばかりだった。
これ幸いと片づけに励んだ。

事務所の改装工事があり、一時的に会議室へ引っ越しをした。
日本ではあり得ないと思う適当さを思い知った。

営業用のパンフレットを混ぜてしまう。
会議室や客室の資料、ウェディングのパッケージなど全部で10種ほどの
印刷物をランダムに重ねて置く。
必要な時に必要なものがすぐ取り出せないかもしれない、とは考えないのだろうか?

ゴミの始末がいい加減。
ホチキスの芯、輪ゴム、クリップ、食べ物が入っていたと思われる空のタッパー。
いつのものか分からないメモ、ビニール袋などなど。
そんなものが机の下にごろごろしていた。
誰も気にしない。

コピー用紙とカラー用紙を混ぜて置く。
しまいにはレターヘッドもミックス。
後で使うときのことなんて想像しないのだろう。

同じものをバラバラの場所に保管する。
在庫が把握できないではないか?

そもそも、移転作業があるなら前もって準備すれば良いのに、
直前になって一気に行うから余裕がない。
工事が始まってからも、残った荷物を取りに行くことになった。

紙の資料を床に直置き。
その上に散らばる電気のコードやガムテープのくず。
なるほど、ネットや電気系統の工事で出たゴミが降らせてあるのか。

そんなmessyに誰も驚くこともない。
違う文化の国に来たのだなと、改めて思ったのでした。






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# by intern51 | 2013-01-01 23:14